法人化を検討すべきタイミング5選 ≪Vol1≫
こんばんは。
横浜市都筑区センター北駅の税理士 紙本(かみもと)です。
ひとり社長専門の経営参謀税理士として、会社と家庭のお金に関するお役立ち情報を定期的に発信しております。
現在個人事業主として確定申告を行っているみなさん、法人化について考えていますか?個人事業主のままでも事業を行うことは可能ですが、もしかすると、すでに法人化のタイミングがきているかもしれません。
そこで、今回は過去のサポート経験に基づき、独断と偏見により法人化を検討すべきタイミングについて解説します。事業の拡大をお考えの個人事業主のみなさまは、ぜひご検討下さい。
【タイミング1】新規の取引のために信用力が必要になったとき
個人事業主として事業をしていると、大手の取引先などに対して信用力が低いと判断され、取引に仲介役の会社が必要になったり、新規顧客の相見積もり先が法人化している法人である場合などに、サービスや商品の内容以前に信用力の問題により受注獲得が難しくなるケースがあります。
法人化することで、形式的に信用力を上げることができます。法人としての信用は、個人事業主と比べて遥かに高いため、仲介役の会社を通さずにビジネスができるようになったり、新規の取引先からもある程度の信用を持って取引をしてもらえるケースがあります。特に大手の取引先から取引の打診がある場合や、信用力を理由に仲介の会社を通して取引を行っている方などは、法人化を検討してみましょう。
【タイミング2】融資を受けるとき
法人としての信用力が高まることで、金融機関から融資を受けることがしやすくなります。事業の拡大に伴って事業資金の借入が必要になる場合には、法人化を検討しましょう。
【タイミング3】税金対策のため
個人事業主に係る税金である所得税は儲かれば儲かるほど税金が高くなる累進税率である一方、法人にかかる法人税の税率には上限があるため、事業が軌道に乗ってきた場合には、法人化することで税金を安くすることができます。また、法人化することで、個人事業主にはできない借上社宅制度、会社契約の保険、出張旅費規定の導入など、節税対策の幅が広がりますし、法人になることで消費税の納税義務も再判定となるため、税金対策には法人化が有効であることが多く、検討してみる価値はあるでしょう。
【タイミング4】経営者のリスクを抑えるため
個人事業主は、現在行っている事業に対しての損害賠償リスクや、すでに受けている融資に対しての返済義務を抱えています。
法人化することで、万が一会社が違法行為を行った場合でも、経営者の責任を限定されることができるケースがあり、自身のリスクを抑えることができます。また、法人化することで、個人資産と事業資産を分離することができ、法人の借入に対する連帯保証(代表者保証)を外すことができれば、万が一の場合でも個人資産を守ることができる場合があります。
【タイミング5】断固たる決意を固めるため
事業を続けていると、思ったように売上が上がらないなど、うまくいかないことが多々あります。個人事業主の場合、届出1つで事業を廃業をすることかできますが、法人が廃業(会社清算)するには、さまざまな手続きとそのための費用が必要になります。
これは、一見するとデメリットに見えますが、どんな困難な状況であっても今の事業をやりぬくんだ、という断固たる決意を固めることができます。
【まとめ】
法人化は、信用力を上げるため、融資を受けるため、税金対策をするため、経営者のリスクを抑えるため、事業を続ける決意を固めるためなど、様々なメリットがあります。しかし、法人化には、費用や手続きが必要になるため、事業の状況や目的に合わせて、法人化を検討するタイミングを見極めていきましょう。
次回以降、法人化のメリットデメリットや、会社設立の形態、おすすめの節税対策などを掘り下げて行きます。
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